テレワークをおこなう際に欠かせないのが通信回線トラブルと情報漏洩の対策です。
機密情報や顧客情報が外部に流出してしまうと、企業は大きなダメージを負いますので、テレワークに関わる情報漏洩対策を心がけましょう。
- オンライン会議のマナー
- オンライン会議では議長が積極的に仕切る
- 自分自身の様子は自分ではわからない
- クラウド障害発生時は早めにアナウンス
- クラウド型業務アプリの導入ポイント
- 通信回線遮断への備え
- 知っておきたい情報漏洩対策の基本
- ノートパソコンの盗難対策
- ワークフローシステムの選定ポイント
〇オンライン会議のマナー
ビジネスの場において、会議や商談、取引先との会話などをテレワークでおこなうことも多々あることでしょう。
企業内の親しい同僚との会話であればフレンドリーな口語でもいいのですが、上司との会話や、取引先との会話となると敬語体のフォーマル会話になります。
これは対面でもテレワークでも同様ですので、それぞれのTPOに合った対応を心がけることが重要です。
ただし、テレワークに不慣れだからこそ考えておきたいことはあります。
こうするのがマナーというよりも、「こういう風に使う方と便利ですね」という性質のものです。
〇オンライン会議では議長が積極的に仕切る
オンライン会議の参加者は互いの様子が見えない中、なかなか場の雰囲気をつかめず、発言が滞りがちです。
逆に、発言の途中で割り込んだり、誰が何を話しているのか分からなくなることもあります。
そのため、上手く収束すればいいのですが、そうでないとギクシャクして余計に誰も話そうとしなくなってしまいます。
議長は、「〇〇さん意見をどうぞ」というように名前を呼んで意見を促します。
また、会議の冒頭では、会議の目的、目標、進行などを参加者に提示することも重要です。
〇自分自身の様子は自分ではわからない
オンライン会議では、自分の画像や音声が乱れていても気づけないなど、自分の状況を自分自身が把握できないことがあります。
例えば「キーボードの音」です。
メモのためにパソコンでキー入力する音で、会話の内容が聞き取りづらくなっていることもあります。周囲の環境音も同様です。
自分が話す時以外はこまめに「ミュート」ボタンを使って音声を消す、ということを心がけましょう。
逆に、相手が話している声が聞きづらければ「皆さん、自分が話す時以外はミュートにしてください」とお願いしてみましょう。
〇クラウド障害発生時は早めにアナウンス
経費精算や会計業務、メール、ビジネスチャット、Web会議など、何らかの形でクラウドサービスを利用している企業が増えていることでしょう。しかし、クラウドサービスの停止リスクはゼロではありません。
こんなとき一般の従業員は「パソコンの調子がおかしい」や「通信環境に問題があるのだろうか」と不安に感じてしまうものです。
クラウドサービスの管理者は障害情報を収集して、従業員に「〇〇サービスでトラブルが発生しており一時的に使えません」などの早めの情報提供を心がけることが重要です。
〇クラウド型業務アプリの導入ポイント
経費精算や勤怠管理などの一般的なアプリから、飲食店のメニュー管理、建築業の施工管理、製造業の製品管理などの業種に特化したクラウド型アプリが登場しています。
「必要な情報にどこからでもアクセスでき、業務のスピード化・効率化が図れる」「社内にハードウェアを用意する必要がなく、メンテナンスの手間や初期投資、運用コストを削減できる」など、さまざまなメリットをもたらします。
アプリ導入の際には、機能の充実度やランニング費用のほかに、アプリ活用の推進役、従業員への定着策、クラウドと社内に保存する情報の切り分け、明確な導入期待効果、事業展開との関連性なども考慮しながら最適なアプリを選びましょう。
〇通信回線遮断への備え
日常使っている通信回線が使えなくなることもあります。
その通信回線の遮断に備えてバックアップ回線での接続を確認しておきます。
ISDN回線、ADSL回線、光ファイバー回線などの固定回線と、LTE、WiMAXなどの携帯電話回線の二重経路を確保しておきましょう。
オンライン会議アプリによっては、従来の電話を使用して電話回線を通じて参加することができます。
これは次の場合に便利です。
- パソコンにマイクまたはスピーカーが接続されていない場合
- 外出中にスマートフォン(iOSまたはAndroid)がない場合
- ビデオおよびVoIP/コンピューターオーディオのネットワークに接続できない場合
〇知っておきたい情報漏洩対策の基本
テレワークをおこなう際に欠かせないのが情報漏洩対策です。機密情報や顧客情報が外部に流出してしまうと、企業は大きなダメージを負いますので、テレワークに関わる情報漏洩対策を心がけましょう。
パソコン
パソコン |
〇 パスワード □ログインパスワードを設定していますか。 〇 顔認証や指紋認証を使える機種であれば使っていますか。 〇 電話番号や誕生日など推測されやすいパスワードを避けていますか。 |
ウイルス対策ソフト |
〇 ウイルス対策ソフトを、最新版に更新していますか。 〇 リアルタイム監視機能をオン(有効)にしていますか。 |
OS |
〇 最新のバージョンにしていますか。 |
その他 |
〇 ノートパソコンの盗難対策をしていますか。 |
ネットワーク
自宅のWiFi |
〇 推測されにくいパスワードを設定していますか。 |
外出先などのフリーWiFi |
〇 自動接続の設定をオフにして、手動で接続先を選んでいますか。 |
社内システムへの接続 |
〇 社外から自社のサーバーにアクセスする際はVPNを導入していますか。 |
クラウドサービス
安全対策 |
〇 クラウドサーバーの安全対策(ウイルス対策、不正アクセス対策など)を確認していますか。 〇 クラウドサーバーまでの通信の保護や安全対策を確認していますか。 |
その他 |
〇 サービスが利用できなくなった場合の補償を確認していますか。 〇 クラウドサーバーは日本の法律が有効な場所にありますか。 〇 サービスが利用できなくなった場合の対策はありますか。 〇 データをバックアップしていますか。 |
〇ノートパソコンの盗難対策
パソコンの紛失・盗難は重大なリスクであるにもかかわらず、しっかりとした対策を講じている企業は多いとはいえません。
日本ネットワークセキュリティ協会の調査によると、情報漏えいの原因の1位は、パソコンの紛失によるもの。
盗難と合わせると、その割合は30%に達する。
もともとリスクが高い上、テレワークの普及でパソコンを社外へ持ち出す機会が増える。
必然的にパソコンの紛失・盗難リスクが高まっている。
盗難・紛失時の有効な手立てとしては、遠隔からの指示で
- デバイスをロックし、マウス、キーボード、タッチパネルなどを操作不能にする。
- フォルダやドライブ単位のデータ消去をする。
- OSを含むドライブ上の全データ消去をする。
の措置を講じておく必要がある。
〇ワークフローシステムの選定ポイント
稟議申請や経費精算、各種諸届など、これまで“紙の書類”を使って行ってきた作業の流れを電子化するワークフローシステム。
従来から各種諸届を電子化しているなら、
- 経費精算のワークフローは経理部門
- 各種諸届や稟議書、就業管理のワークフローは人事・総務部門
と、バラバラに導入・運用されているケースも多い。
テレワークの普及などにより活用範囲が広がったことで運用・管理面での課題が表面化している。
例えば部門ごとでワークフローシステムを運用すると、経費精算と稟議申請の画面が異なる。
ユーザーの利便性が低下し、マスターメンテナンスも個別に行うことになり、管理者の負荷も増大してしまう。
テレワーク時代のワークフローシステムの選定ポイントとは?
老朽化した業務システムが抱えるリスクや、テレワーク推進における課題を解決するには、ワークフローシステムの見直しが有効となる。ワークフローシステムを基幹システムとして捉え、すべての部門で同一の操作性に一本化する。
テレワークを導入してオフィスと同様の業務を社外で行える環境を構築したいのならば、
- 部門や業務ごとのニーズに対応するための機能を網羅していること
- 他の業務システムとの連携が行えること
が必須条件である。
あらゆる業務に対応できる基本機能を備え、他の業務システムとの連携も行える製品を選択したい。