マイナンバー制度で見直すべき社内システム(2)

マイナンバー制度で見直すべき社内システム

 マイナンバー制度への対応には、 

  • 人事システム
  • 勤怠管理システム
  • 財務・会計システム
  • その他の関連するシステムなど

の改修が必要になると思われます。上手に対応するにはどうすればよいのだろうか。

  

 そして、情報セキュリティ対策の見直しも必要かもしれません。

 なぜなら、マイナンバーは特定個人情報にあたるため、情報漏洩を防ぐための対策をより強固にしなければならないケースも多くなりそうです。

 「マイナンバー対応のポイント」はこちら

 

 


対応案その1:既存の業務システムを改修またはバージョンアップする

 マイナンバー制度の要点は、直接的には税務署、自治体、ハローワーク、日本年金機構、健康保険組合へ提出する税務と社会保障関係書類に、従業員およびその扶養家族のマイナンバー(個人番号)と、法人番号を記載することです。

 

 既存業務システムは、マイナンバー対応のポイント を押さえて改修する必要があります。

 

 パッケージ・ソフトウェアを利用している場合は、マイナンバー制度対応のバージョンアップやアドオンの提供があり、パッケージ・ソフトウェア事業者やシステム構築時のシステム事業者、システム運用事業者などからマイナンバー対応の提案があると思います。

 

 ソフトウェアのバージョンアップによって、マイナンバー制度で必要な書類を作成できるようになるでしょう。

 

 一方、マイナンバーについての情報漏えい対策や安全管理を合理的にできるかどうかを確認する必要があります。

 例えば、マイナンバー取得の際に従業員に示す利用目的の範囲を超えて利用できないように既存システムどうしの連携を制限しなければなりません。

 個々のシステム単位でのみ考えると、全体効率が悪化したり、制度の要件を満たさない部分ができる可能性もあるので注意が必要です。

 

 


対応策その2:マイナンバー制度対応の専用システムを使う

 人事システム、勤怠管理システム、財務・会計システムと関連する社内システムの改修やバージョンアップは複雑になることが予想されます。

 そこで、既存のシステムになるべく手を入れることなく、既存システムの情報とマイナンバー情報を連携して必要な書類の作成を行う マイナンバー対応の専用システム が各社から提供され始めています。

 マイナンバーの取得から保管、利用、帳票出力をカバーするマイナンバー対応の専用システムを、別途追加導入します。このような独立したシステムなら、目的外の利用を防ぐ対策がとりやすく、強固なセキュリティを実装することも可能と思います。




対応策その3:マイナンバー対応サービスを使う

 社内システムの見直しに際しては、システムの改修やバージョンアップ以外の業務負荷にも注目すべきです。

 マイナンバー制度への対応には、

  • 従業員への制度の説明
  • マイナンバー取得目的の説明と厳格な本人確認
  • 目的外利用がないことの監視・確認
  • 適切な時期の情報廃棄など

システムだけでは対応できない部分があります。


 そのための相応な業務負荷が発生することを考慮して、すべてを自社内で抱え込まず、社外のサービスを利用することも合わせて検討することが望ましいと思います。


 社外のサービス例

  • 社内の業務やシステムのアセスメントサービス
  • 合理的な制度対応を図るコンサルティングサービス
  • マイナンバー取得や保管など管理を行うサービス
  • 従業員への制度への理解を進めるための教育/研修/eラーニングサービスなど


 適切な部分について社外のサービスを利用することにより、短期間での対応体制が出来上がるので、スタッフ不足が心配される企業にはオススメです。