5月20日(木)から、第2回の申請の受付が開始されました。
公募締切は7月2日(金)です。
第2回公募締め切り後、さらに3回程度の公募が予定されているようです。
事業再構築補助金とは、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、中小・中堅企業の新規事業立ち上げを支援するために、1社につき100万~1億円を補助する制度です。
この「事業再構築補助金」では、申請するためには国が認証している「認定支援機関」の支援を受ける必要があります。
更に、補助金の申請要件に合致した実現可能な事業計画書を作成することも必要になります。
事業計画のなかにIT導入やIT活用も含まれるようでしたら、その部分についての事業計画書作成を支援しております。
以下に、事業再構築補助金の申請についての勘所を説明します。
事業の目的
ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために
- 新分野展開
- 業態転換
- 事業・業種転換
- 事業再編
- これらの取組を通じた規模の拡大等
思い切った「事業再構築」に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的とする。
補助対象事業者の概要
【中小企業者】
資本金又は従業員数(常勤)が下表の数字以下となる会社又は個人であること。
業種 | 資本金 | 従業員 |
製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) |
5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) |
3億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
【中堅企業】
- 上記の中小企業者に該当しないこと。
- 資本金の額又は出資の総額が10億円未満の法人であること。
- 資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、従業員数(常勤)が2,000人以下であること。
補助率等
【中小企業者の場合】
【通常枠】
(1)補助率 2/3
(2)補助額 100万円~6,000万円
(3)補助対象経費
- 建物費
- 機械装置・システム構築費(リース料を含む)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
- 研修費
(4)補助対象経費補助事業実施期間
交付決定日~12か月以内
ただし、採択発表日から14か月後の日まで
【卒業枠】
(1)補助率 2/3
(2)補助額 6,000万円超~1億円
(3)補助対象経費
- 建物費
- 機械装置・システム構築費(リース料を含む)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
- 研修費
- 海外旅費
(4)補助対象経費補助事業実施期間
交付決定日~14か月以内
ただし、採択発表日から16か月後の日まで
【グローバルV字回復枠】
(1)補助率 1/2
(2)補助額 8,000万円超~1 億円
(3)補助対象経費
- 建物費
- 機械装置・システム構築費(リース料を含む)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
- 研修費
- 海外旅費
(4)補助対象経費補助事業実施期間
交付決定日~14か月以内
ただし、採択発表日から16か月後の日まで
【緊急事態宣言特別枠】
(1)補助率 3/4
(2)補助額
従業員数5人以下 100万円~500万円
従業員数6~20人 100万円~1,000万円
従業員数21人以上 100万円~1,500万円
(3)補助対象経費
- 建物費
- 機械装置・システム構築費(リース料を含む)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
- 研修費
(4)補助対象経費補助事業実施期間
交付決定日~12か月以内
ただし、採択発表日から14か月後の日まで
【中堅企業の場合】
【通常枠】
(1)補助率 1/2
補助対象経費が8,000万円を超える部分の経費は補助率1/3を適用。
(2)補助額 100万円~8,000万円
(3)補助対象経費
- 建物費
- 機械装置・システム構築費(リース料を含む)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
- 研修費
(4)補助対象経費補助事業実施期間
交付決定日~12か月以内
ただし、採択発表日から14か月後の日まで
【卒業枠】
(1)補助率 2/3
(2)補助額 6,000万円超~1億円
(3)補助対象経費
- 建物費
- 機械装置・システム構築費(リース料を含む)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
- 研修費
- 海外旅費
(4)補助対象経費補助事業実施期間
交付決定日~14か月以内
ただし、採択発表日から16か月後の日まで
【グローバルV字回復枠】
(1)補助率 1/2
(2)補助額 8,000万円超~1 億円
(3)補助対象経費
- 建物費
- 機械装置・システム構築費(リース料を含む)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
- 研修費
- 海外旅費
(4)補助対象経費補助事業実施期間
交付決定日~14か月以内
ただし、採択発表日から16か月後の日まで
【緊急事態宣言特別枠】
(1)補助率 2/3
(2)補助額
従業員数5人以下 100万円~500万円
従業員数6~20人 100万円~1,000万円
従業員数21人以上 100万円~1,500万円
(3)補助対象経費
- 建物費
- 機械装置・システム構築費(リース料を含む)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
- 研修費
(4)補助対象経費補助事業実施期間
交付決定日~12か月以内
ただし、採択発表日から14か月後の日まで
補助対象事業の要件
【通常枠】
- 事業再構築要件
事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること。 - 売上高減少要件
2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。 - 認定支援機関要件
事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。
補助金額が3,000万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみ)と策定していること。 - 付加価値額要件
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること。
【卒業枠】
- 事業再構築要件
事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること。 - 売上高減少要件
2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。 - 認定支援機関要件
事業計画を認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定していること。 - 事業再編等要件
事業計画期間内に、事業再編、新規設備投資、グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、「補助対象事業者」に定める中小企業者等の定義から外れ、中堅・大企業等に成長すること。 - 付加価値額要件
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること。
【グローバルV字回復枠】
- 事業再構築要件
事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること。 - 売上高減少要件
2020 年 10 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年 1 月~3 月)の同3か月の合計売上高と比較して 15%以上減少していること。 - 認定支援機関要件
事業計画を認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定していること。 - グローバル展開要件
グローバル展開を果たす事業であること。 - 付加価値額要件
補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 5.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 5.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること。
【緊急事態宣言特別枠】
- 事業再構築要件
事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること。 - 売上高減少要件
2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。 - 売上高減少要件
令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、令和3年1月~6月のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少していること。 - 認定支援機関要件
事業計画を認定経営革新等支援機関と策定していること。 - 付加価値額要件
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること。
*事業再構築指針
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin.pdf
*事業再構築の類型
- 新分野展開
中小企業等が主たる業種(売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく大分類の産業をいう。以下同じ。)又は主たる事業(売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく中分類以下の産業をいう。以下同じ。)を変更することなく、新たな製品を製造し又は新たな商品若しくはサービスを提供することにより、新たな市場に進出することをいう。 - 事業転換
中小企業等が新たな製品を製造し又は新たな商品若しくはサービスを提供することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更することをいう。 - 業種転換
中小企業等が新たな製品を製造し又は新たな商品若しくはサービスを提供することにより、主たる業種を変更することをいう。 - 業態転換
製品又は商品若しくはサービスの製造方法又は提供方法を相当程度変更することをいう。 - 事業再編
会社法上の組織再編行為(合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡)等を行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行うことをいう。
事業計画の作成
1:補助事業の具体的取組内容
①現状
事業状況
強み・弱み
機会・脅威
事業環境
②事業再構築の必要性
③事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
④事業展開のタスクとスケジュール
⑤「事業再構築指針」との整合性
⑥差別化や競争力強化のポイント
⑦競争力強化のための方法や仕組み・実施体制
⑧従業員の解雇を伴う場合の再就職支援の計画
2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)
①想定する具体的なユーザー、マーケット及び市場規模
②価格的・性能的な優位性・収益性
③課題やリスクとその解決方法
④事業化の目標となる時期・売上規模・量産化時の製品等の価格等
3:本事業で取得する主な資産
4:収益計画
①具体的な実施体制、スケジュール、資金調達計画等
②収益計画と付加価値額の算出根拠
審査の観点
補助事業の内容について、以下の項目に基づき審査されます。
(1)補助対象事業としての適格性
- 「補助対象事業の要件」を満たすか。
- 補助事業終了後3~5年計画で「付加価値額」年率平均3.0%(【グローバルV字回復枠】については5.0%)以上の増加等を達成する取組みであるか。
(2)事業化点
- 本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。
- 事業化に向けて、競合他社の動向を把握すること等を通じて市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。市場ニーズの有無を検証できているか。
- 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。補助事業の課題が明確になっており、その課題の解決方法が明確かつ妥当か。
- 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果的な取組となっているか。
(3)再構築点
- 「事業再構築指針」に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。
- 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。
- 市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。
- 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。
(4)政策点
- 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
- 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えてV字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。
- ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
- 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか。
- 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。