「この勉強の仕方で本当に大丈夫かな……」
「どんな問題が出るのか想像できなくて、不安……」
ITコーディネータ試験の準備をしていると、そんな気持ちになること、ありますよね。
実は私自身も、研修講師という立場でありながら、再度試験に挑戦した際には、同じような不安を感じていました。
今回は、2025年度第2期 ITコーディネータ試験を受験して感じたことをもとに、出題傾向や試験中の戦略、合格につながったポイントを整理してお伝えします。
これから受験される方の不安を、少しでも和らげるヒントになれば幸いです。
勉強法や当日の流れは、「2025年度第1期 ITコーディネータ試験 合格体験記|勉強法・当日の流れと試験攻略ポイント」もご覧ください。
応用問題の攻略法と集中力維持の考え方
応用問題は「事例読解」に切り替わる点に注意
応用問題では、各プロセスに関する事例が問題文と選択肢で提示され、選択肢の中から最適なものを選ぶ形式になります。
基本問題と比べると、問題文・選択肢ともに文章量がやや多くなり、単純な知識確認ではなく、読解力と集中力が問われる構成です。
試験の途中で疲れが出てくると、文章を正確に追えなくなるため、集中力の維持が重要だと感じました。
応用問題で迷いやすい理由と判断の軸
応用問題では、選択肢がどれも「それらしく」見えるため、迷う場面が多くなります。
特に、
- 言葉の違いが微妙な選択肢
- 一見正しそうだが、論点が少しずれている選択肢
が混ざっているため、設問が何を問うているのかを丁寧に読み取る力が必要です。
「正しいかどうか」ではなく、
「この事例・この設問に対して、最も適切か」
という視点で判断することが重要だと感じました。
合格につながった3つのポイント
今回の試験を振り返って、合格につながった要因は大きく3つあると感じています。
-
サンプル問題を徹底的にやり込んだこと
→ 出題形式や文章量に慣れ、本番でも焦らず対応できました。
-
模擬問題を繰り返し解き、「読む力」を意識していたこと
→ 応用問題にも冷静に向き合うことができました。
-
時間配分と優先順位を意識して解いたこと
→ 応用問題を80分、基本問題を40分の配分で、応用問題~基本問題の順に解いて、余った時間で見直しました。
もちろん反省点もありますが、全体を通して、
「事前の準備が本番での安心感を生む」
というシンプルな原則の大切さを、あらためて実感しました。
戦略的な解き方|合格に差がつく試験戦略
集中力が高い時間帯の使い方がカギ
今回の試験では、集中力が高い前半の時間帯をどう使うかが合否を分けると感じました。
私は試験中、100問目から逆順で解き進めましたが、あとから振り返ると、
- 解答状況画面から応用問題(41問目)に直接ジャンプする
- 41問目から先に解く
- 応用問題を終えたら1問目にジャンプする
という戦略を取るべきだったと反省しています。。
基本問題は「プロセスの流れ」を意識すると解きやすい
基本問題については、プロセスの順番に沿って解いていくと、
実際のプロセスの流れと頭の整理がしやすく、判断が安定したように感じました。
プロセス間の関係性やフィードバックを意識できているかどうかが、正答率に影響すると実感しました。
出題傾向分析|2025年第2期 ITコーディネータ試験の特徴
幅広く、実務寄りの出題構成
試験を通じて感じたのは、特定分野に偏らず、
プロセスガイドラインVer.4.0 第1部を前提に、第2部・第3部・第4部からバランスよく出題されているという点です。
出題内容は、
- 経営戦略
- デジタル経営実行計画
- IT開発・導入
- 価値提供・運用
- 提供価値検証
- サイクルマネジメント
- コミュニケーション
- モニタリング&コントロール
- セキュリティ
- 組織学習
など、実務全般に広がっており、「幅広い知見」が求められる試験だと感じました。
いわゆる技術者向け試験というより、
ITと経営の橋渡し役としての判断力・実務感覚を評価する試験という印象が強いです。
サンプル問題と本試験の関係性
受験直前に、ITコーディネータ協会が公開している25問のサンプル問題を見直しましたが、
そのうち12〜13問程度は、本試験で見覚えのある構成や論点だったように感じました。
設問の文体や選択肢の言い回しも非常に似ており、
事前に見慣れておくことで、心理的な余裕が生まれたのは大きなメリットです。
初見の問題でも、
「この形式、サンプルで見たことがある」
と思えるだけで、落ち着いて対応できました。
ただし、サンプル問題がすべてをカバーしているわけではありません。
本試験では、似た選択肢の中から最適解を見極める力が求められる場面も多く、
暗記ではなく、内容の本質理解が重要だと感じました。
ITコーディネータ試験の出題形式の特徴
画面の左上に「プロセス名」などの表示があったため、それを見てプロセスやアクティビティを把握することができました。
おかげで、回答の手がかりとなりました。
そして、問題形式は、大きく分けて次の2種類があります。
- 単純な4択問題
→ 1つの設問に対して、最も適切な選択肢を1つ選ぶ形式。
問題:ITコーディネータが果たすべき役割として、最も適切なものはどれでしょうか。
1. プログラミング作業を代行すること
2. 経営課題の解決を支援すること
3. サーバー機器の運用保守のみを担当すること
4. 社内の経費精算業務を行うこと
- 複数の組み合わせが4択になっている問題
→ 複数の選択肢の正誤を判断し、その組み合わせが提示された4択の中から正しいものを選ぶ形式。
問題:以下の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれでしょうか。
a. サイクルマネジメントは、継続的な価値創出を目的とする。
b. プロジェクトマネジメントは、単一のプロジェクトの成功を目的とする。
c. サイクルマネジメントとプロジェクトマネジメントは、目的も対象範囲も同じである。
d. サイクルマネジメントは、価値実現サイクルの活動と密接に関連している。
1. a, b
2. a, c
3. b, c
4. a ,b ,d
特に組み合わせ問題は、選択肢単体では理解できても、全体の組み合わせで考えると迷いやすいのが難点です。
そのため、サンプル問題で正誤判断の練習をしておくことが、本番での対応力を高めると感じました。
プロセス別の具体例と攻略ポイント
デジタル経営プロセス
- デジタル社会の実現に貢献するデジタル経営
- 外部との対話と自社の強みを重視するオープンな共創の原則
- 経営者が担うプロセスとアクティビティ
- デジタル経営推進者と開発リーダー、運用リーダーの関係性
- デジタル経営に精通した専門人材不在時の外部専門家による支援
- 新分野への挑戦における価値実現サイクルによる仮説検証の重要性
など、デジタル経営の意義や登場人物を問う設問がありました。デジタル経営の全体像をどう捉えるかが問われるカテゴリです。
変革・成長プロセス(P1)
- 変革・成長プロセスにおけるデジタル経営戦略達成度評価の活用
- デジタル経営成熟度レベルが1,2のときの目標レベル
- 変革の可能性を発見するためのアイディアソン・ハッカソンの活用
など、経営環境の変化に対応するための変革や成長の方向性を明らかにする内容を理解しているかがポイントでした。
デジタル経営戦略プロセス(P2)
- 経営環境情報の収集対象は、事業ドメインやCSFに影響を与える重要な情報
- データ・IT 利活用方針の粒度
- リスク顕在化時の代替案および損失最小化のための対策の重要性
- CSFをもとにしたKPIの検討
- デジタル経営戦略達成度評価の位置づけ
デジタル経営戦略とIT活用をどう結びつけるかを理解しているかがポイントでした。
デジタル経営実行計画プロセス(P3)
- 価値実現サイクルにおけるデジタル経営支援者の姿勢
- デジタル経営実行計画における進め方を見極めるための目標の理解
- データとIT の調査の内容
- 価値実現サイクルで実証する戦略実現案の計画
- 業務プロセスとIT 導入方針の決定の粒度
- 評価指標の設計の注意点
- デジタル経営戦略プロセスへの報告対象
各タスクの内容や位置づけを理解しているかがポイントでした。
IT開発・導入プロセス(P4)
- 開発リーダと運用リーダーの役割の違い、関係性
- 契約交渉時の内容
- システム導入計画とIT 導入実行計画書の関係性
- テストの目的
- 本番環境移行時の緊急時対応策の準備
- システム導入計画に基づくIT導入実行計画書の策定
- 運用リーダーによるIT導入計画への参画
外部委託との関係も含め、現実のプロジェクトマネジメントに沿った理解が必要でした。
価値提供・運用プロセス(P5)
- 価値提供業務を遂行する上で重要な要素
- 評価指標に基づくデータの自動収集とデジタルデータとしての蓄積・管理
- 不足情報や未収集データ発生時の提供価値検証プロセスへの報告
- サービスレベルマネジメント
- ITサービスの運用・管理における重要な要素
価値提供を支えるITサービス運用・管理の重要要素を理解しているかが問われていました。
提供価値検証プロセス(P6)
- ユーザーフィードバックを分析・改善・共有に活かす姿勢
- KPI未達や現場の気付きを活かした改善点検証とフィードバック
- 業務工程・手順の検証がもたらす改善効果と経営的意義
- デジタル経営実行計画プロセスへフィードバックする内容
提供した価値を測定し、次の改善につなげる検証プロセスの重要性を理解しているかがカギです。
サイクルマネジメント(CB-1)
- サイクルマネジメントが対象とするサイクル
- プロジェクトマネジメント
価値実現サイクル全体を対象に、デジタル経営の効率と効果を最大化する手法が問われていました。
コミュニケーション(CB-2)
- コミュニケーション計画
- 良好なコミュニケーション環境の構築に必要なスキル
- 暗黙知の形式知化と形式知の内面化に有効なコミュケーション方法
ITと経営をつなぐ立場として、対話力やファシリテーション力の重要性が強く感じられました。
モニタリング&コントロール(CB-3)
- モニタリング&コントロールが対象とするプロセス
単なる管理ではなく、進行状況を把握し、必要に応じて軌道修正する力が求められる領域です。
セキュリティ(CB-4)
- 情報セキュリティ5か条
- セキュリティ対策の実装・体制作り
経営に影響するセキュリティリスクを、技術だけでなく運用や体制面からも理解することが必要でした。
組織学習(CB-5)
- 暗黙知を形式知へ変換する手法
- 個々人の学びによる暗黙知の獲得
人材育成や知識共有の仕組みをどう設計するかという、実務的で経営寄りの観点が特徴的でした。
まとめ|不安を乗り越える力は「自分を信じること」
今回の試験を通して特に印象的だったのは、
- 基本問題では、プロセス間の関係性・フィードバック・タスク成果物を問う設問が多かったこと
- 応用問題では、行間を読み、背景を考慮する力が求められたこと
です。
制限時間の中でそれらを判断するのは簡単ではありませんが、
だからこそ、日頃の学習姿勢がそのまま結果に表れる試験だと感じました。
ITコーディネータ試験は決して簡単ではありません。
しかし、その学習プロセスそのものが、ITCとしての第一歩になります。
不安や焦りを感じるのは自然なことです。
でもそれ以上に、
「ここまで準備してきた自分を信じる力」
こそが、合格へのいちばんの力になると思います。
