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ITコーディネータという仕事 Part2

ITコーディネータのアドバイス

 社内業務の効率化、情報システムの見直し、顧客管理の強化、製造原価計算の仕組みづくりなどを考えるとき、ITコーディネータからは、実際のところどのようなアドバイスを受けられるのでしょうか。


 ITコーディネータは、あなたの会社とシステム事業者との間に入り、あなたの会社にとっての戦略的な視点から、今ITが必要なのか、IT導入をしなくても解決できる施策があるのではないか、本当に必要な最小限のITとはどのようなものか、という視点でアドバイスをしてくれます。

 

 ITコーディネータは、経営とITの双方の知識とノウハウをもっている家庭教師のような専門家なのです。家庭教師とは、あなたの会社(家庭)のことを理解して、時に優しく、時に厳しく、あなたに寄り添いながら背中を押してくれる存在です。



会社とシステム事業者のズレ

 さて、もともと、会社側とシステム事業者との間には「認識のズレ」が見受けられることがよくあります。

 

 ◎会社側

  • ITに関する知識に乏しい。
  • 自社にどのようなシステムが必要であるかを自ら考えることが難しい。

 

 ◎システム事業者

  • ITに関する知識が豊富である。
  • 経営的な知識やノウハウが不足していることがある。


 その結果、この認識のズレに起因して、過大なシステムの開発や、的外れなシステムを導入してしまう危険性があります。



ITコーディネータの提案

 ITコーディネータは、会社とシステム事業者の双方にとって、有益かつ実効性のある事業者の競争力を高めるシステムを提案してくれます。

 

 それゆえ、いきなり、システムを単純に提案をするのではなく、まず企業の現状を把握し、今後のあるべき姿を考え、そこに到達するために必要なITシステムを提案していくという流れをとるのが一般的な方法です。


 具体的には、「IT経営診断ツール」などを使用して、その企業の診断を行っていきます。

 この診断にはシステムに関する項目はもちろんのこと、経営そのものに関するビジネスモデルや経営者の考えについてヒアリングする項目もあります。


 例えば「経営の見える化」「情報を共有して業務効率向上」「生産部材在庫の適正管理」といっても言葉では易し、現場作業では管理する項目はバラバラで多種多様な判断をされていますから一筋縄ではいかない。経営課題の解消に向けて、ひとつひとつ解きほぐしながら、実効性のある企業システムの形を描いていきます。


 このようにITコーディネータは、ビジネス全般から見た最適な企業システムは何かという切り口で提案をしてくれます。

 


企業システムとは

 この「企業システム」とは単なるコンピュータシステムではなく、経営管理上、必要な各業務処理及びシステム処理が運営されている企業全体の仕組みを指しています。


 なぜ?「企業システム」なのか。

 顧客、取引先、従業員などから見て安心でき、魅力ある企業になることです。


 顧客、取引先、従業員などから見て安心できる「安心」とは、業績はもちろんのこと、その業績を表す数値は誰が見ても公正妥当であることです。


 会社の「企業システム」の問題点を浮き彫りにし、その改善点についてその方向性を明らかにします。


 システムを導入しなければならないのは分かっているけど、どこに相談したらよいか分からないという経営者の方は、ぜひ一度ITコーディネータのお話しを聞いてみてはいかがでしょうか。


 ITコーディネータは、事業会社のほか、自治体、商工団体においても活躍されています。

 

 ITコーディネータの知識やノウハウを習得するには、ケース研修がオススメです。