2014年4月8日(米国時間、日本時間は9日)、Windows XP(以下、XP)とOffice 2003 のサポートが終了します。
サポート終了まであと7か月をきりました。
XP終了にともなうセキュリティのリスク
サポートが終了すると、XP のセキュリティ更新プログラムが提供されなくなります。そして、そのまま XP を使い続けると、Windows 7 に比べてセキュリティリスクが約10倍近くに高まると推測している調査結果もあります。
XP のサポート終了の対応は、もうお済ですか。
- うちは関係ない
- 個人情報が無いから大丈夫
- ウィルス対策ソフトを入れているから安心
などといった理由で、他人事としてとらえがちではないでしょうか。
Windows XP / Office 2003 のサポートが終了すると、これを機に、悪意をもった攻撃者が広範囲な攻撃を開始すると想定されています。
これらの攻撃によって、会社の情報が漏えいするだけではなく、知らぬ間にサイバー攻撃の「踏み台」となって、大事な取引先に多大な被害を与えることも起こりえます。
下図は、マイクロソフト社が配付しているセキュリティ・リスクのパンフレットです。
セキュリティだけではない! サポート終了で本当に困るのは何か
1.セキュリティの弱点が増します
前述の通り、XPのサポート終了と同時に、セキュリティ更新プログラムの提供が終わります。
その結果、セキュリティホールと呼ばれる弱点(脆弱性)が見つかっても、セキュリティホールは放置されたままのため安全ではなくなります。
2.新しいソフトや周辺機器が使えない
今後、新たに発売されるソフトや周辺機器はXPに対応していないことがあります。
その結果、そのソフトや周辺機器は、使いたくても使えません。XPで使えないソフトやクラウドサービスは既に出始めています。例えばマイクロソフトのWebブラウザー「Internet Explorer(IE)」のIE9以降(最新はIE10)はXPに対応していません。オンラインストレージの「SkyDrive」や米アップルのデータ共有サービス「iCloud」もXPでは使えません。
3.パソコンを買い替えるだけでは済まない、ソフトの対応も必要
Windows7や8のパソコンに買い換える前に確認しておくべきことがあります。
- 互換性 : 今お使いのソフトはWindows7や8で動作するのか。パッケージソフトであればメーカーサポートを受けられるのか。
- 対応費用 : ソフトにかかる費用はいくらか。
- 対応時期 : 業務の重要性を考慮した対応時期はいつか。
Windows7や8で、XPでお使いのパッケージソフトや業務ソフトを使用しようするときに、更新プログラムを導入したり、バージョンアップをする必要があったり、企業独自の業務ソフトは自社での改修やメーカーなどに改修を依頼したりする必要があるかもしれません。
Officeのマクロ(VBA)もバージョンの違いによりうまく動作しないことがあるため、事前の確認が必要です。
パソコンの買い換えと同時にソフトの買い換えや改修の費用を見込んでおく必要があります。
表:XPでお使いのソフトを Windows7や8で使うと・・・
お使いのXP用のソフト |
Windows7や8で使うと・・・ |
解決策 |
パッケージソフト |
●インストールできない ●起動しない ●動作が不安定 |
●Windows 7や8向けの更新プログラムを入手してインストール ●Windows 7や8に対応した最新版にバージョンアップ ●XP互換モードを使って動かす |
自社独自の業務用ソフト |
●IE6用のソフトをIE7以降で使うと表示が崩れる ●Officeのバージョンが違うとマクロが動作しない |
●自社でプログラムを改修 ●メーカーなどに依頼して改修 ●XP互換モードを使って動かす ●別のソフトを開発または購入 |
4.Windows7や8で XP用のソフトを動かせるが限定的
Windows7や8には、XP用のソフトを動かすための仕組みが用意されています。これを「互換モード」といいます。この互換モードを設定することにより、XP用のソフトの動作が安定することもあります。
別の方法として、Windows7のProfessionalエディション以上には、「Windows XPモード」という機能があります。しかし、このXPモードのサポートはXPのサポートと同時に終了しますので、そのまま利用し続けると、セキュリティのリスクをともないます。